何が違う?革に財布に使われる牛革(カウレザー)の特徴

たくさんのサイフ

1.牛革の特徴

一般的に革といえば牛革を指すことが多いです。
そのくらい牛革は日本に出回っている革の中でも最もポピュラーな革として様々な製品に使用されています。
牛革は他の革と違い非常に多彩な加工が容易なため、表面加工でオーストリッチ風(ダチョウ革)にしたり、クロコダイル風(ワニ革)にしたりといった製品もよく見かけます。
牛皮は様々な動物の革が利用される革製品の中でも

  • 十分な供給量
  • 丈夫で美しい
  • メンテンナンスも容易
  • 様々な加工もしやすい

と、製品にするのに最も適した性質を持っています。
革と言えばまずは牛革、と言われるほど多数の製品で使用されるのも納得ですね。
よく動物の革は残酷だから使わないという方もいますが、革を取るための牛は主に肉牛の革を再利用しています。
そのため、革を取るためだけに牛の命を奪うようなことは決してありません。
また、一口に牛革と言っても、雄か雌か、また牛の年齢などによって性質や希少性、呼び方も変わります。

2牛革の種類

先ほども書きましたが、牛革は皮を取った牛の性別や年齢、部位によってその性質や呼び方が変わります。
なかには滅多に取れない希少な革も存在します。

【ハラコ】

ハラコ(腹子)と書きます。
胎児~生後間もない生まれたばかりの子牛の革です。
子牛は生まれてすぐの時点では非常に短い、可愛らしい短い毛で覆われています。
その独特の柔らかい風合いとデザインでとても人気の革ですが、市場に出回ることが少ない非常に希少な革です。
その理由は、生後間もない牛からしか取れないからです。
そして先述したように革のために牛の命を奪うことはしません。
従って、ハラコが取れる条件は

  • 病気などでお腹に胎児がいる状態で死亡してしまった牝牛の胎児から
  • 死産や病気など、生後間もなくして死亡した牛から

という極めて限られた条件でしか取れません。
そのため、ハラコは牛の革の中でも最高級の希少素材と言われているのです。
柔らかく希少ですが、耐久性は牛革の中では低いです。

【カーフスキン】

カーフスキンは、生後6ヶ月以内の子牛の革で、牛革の中でも上質な素材とされています。
薄くて柔らかく、その表面は非常にきめ細かく美しいという高級感あふれる革です。
中でも採取した皮が4.3kg以下のものをライトカーフと呼び、より希少な素材となります。
それ以上の重さをヘビーカーフと呼び、ライトカーフほどではありませんがこちらも貴重で高級な素材です。

【キップスキン】

1歳未満の子牛の革です。
カーフスキンよりも繊維の密度が高い為、かなり薄く柔らかさもあるのに丈夫、という優秀な素材です。
カーフスキンほど希少ではありませんが、性質そのものは非常に優れているため、財布など耐久性が求められる製品に向いています。

【カウハイド】

2歳以上の雌牛の革です。
牝牛のため、雄牛と比べるとやや柔らかさのある素材です。
しっかりと成長した牛の革ですので、がっちりと厚みがあり、非常に丈夫なのが特徴です。

【ステアハイド】

2歳以上の雄牛の革です。
また、その中で生後3ヶ月~6ヶ月の間に去勢された雄牛の革を指します。
一般的に牛革、と言えばこのステアハイドを指します。
後述するブルハイドに比べて、丈夫で柔らかく、厚みが均一で加工もしやすいという革製品に必要な要素を全体的に高いレベルで有しています。
そのため、革と言えばステアハイド、と呼ばれるくらい一般的で様々な用途に使用されています。

【ブルハイド】

生後2年を経過した雄牛の革で、ステアハイドと異なり去勢されていない牛の革を指します。
牛革の中でも最も荒々しい野性的な革で、耐久性は非常に高いのですが、その分非常に硬く、加工がしにくいという特徴があります。
そのため財布などの一般的な革製品にはあまり使われません。
それほど複雑な加工を必要とせず、かつ耐久性が求められる靴底などに使用されることがほとんどです。

3.牛革のメリット・デメリット

動物の革の中でも非常に優秀な性質を持っている牛革ですが、もちろんメリットだけでなくデメリットもあります。
ここではそんな牛革のメリットとデメリットをご紹介します。

【メリット】

  • 使い込むことによってエイジングと呼ばれる独特の風合いが出てくる
  • 非常に丈夫で破れたりちぎれたりということはまずない
  • 高級革からお手頃な革まで揃っていて予算に応じて選べる
  • 小さい傷ならメンテナンスで消せる
  • 高い耐久性から、メンテナンス次第で何十年も使える

【デメリット】

  • 水に弱く、濡れるとシミになりやすい
  • ノーメンテで使用すると汚れて見た目が悪くなる
  • 定期的にメンテナンスが必要

このように、若干のデメリットはありますが、レザー用の撥水スプレーを使ったり、数か月に1回程度メンテナンスをすることによってクリアできる問題です。
そこまで手入れに気を遣う素材でもありませんので、初めてのレザー製品には牛革がお勧めです。

4.まとめ

いかがでしたか?
非常にたくさんの種類があって迷ってしまいますよね。
レザー初心者はまずはステアハイドから使用してみるといいでしょう。
一般的な革ですが、手に入りやすいというだけで品質が劣っているわけではありません。
むしろ他の部位の革よりも使いやすくお値段もお手頃です。
とにかく高い耐久性が欲しいという方はブルハイドの財布でワイルドな経年変化を楽しんでもいいと思いますし、耐久性と同時に高級感が欲しいという方はハラコやカーフスキンを選ぶといいでしょう。
このように目的に応じて選べるのが牛革の魅力でもあります。
今回ご紹介した革に興味を持ったら是非専門店で手に取って、できることなら使ってみてください。
丈夫で、使い込むほどに美しくなる牛革の魅力にきっと魅了されることでしょう。